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1/10前年12月分の源泉所得税、住民税特別徴収税額の納付(毎月)

給与にかかる所得税の源泉徴収と住民税特別徴収及び納付

今回は、経理のカレンダーに基づいて源泉所得税と住民税の徴収及び納付について解説します。
源泉徴収とは会社が給与等を支払う際、その支払う金額の中から予め定められた金額の所得税及び住民税を差し引いて徴収することをいいます。給料をお金の源泉と定義し、源泉徴収という呼び方になっています。
では、会社員の給与を前提にみていきましょう。
※この「税務・人事労務事務カレンダー」では所得税には復興特別所得税も含まれるものとします。

源泉所得税及び住民税は徴収月の翌月10日までに納付

源泉所得税及び住民税は源泉税といわれます。給与等から徴収した源泉所得税は、原則として徴収月の翌月10日までに、会社の住所地を管轄する税務署に納付します。住民税は翌月10日までに従業員の住所地の市町村に納付します。ここでは、前年12月中に支払われた給与等から徴収された源泉所得税及び住民税を1月10日までに納付するという前提で解説します。

このように毎月、給与等が支払われるごとに会社で所得税及び住民税を源泉徴収し、翌月10日までに納付することになります。なお翌月10日が土曜や日曜、祝日である場合は休日明けの日が納付期限となります。

〈源泉所得税と住民税の納付期限・納付先〉

源泉税の種類 納付期限 納付先
源泉所得税 徴収月の翌月10日 会社の住所地を管轄する税務署
住民税 徴収月の翌月10日 従業員の住所地の市町村

給与からの源泉徴収及び納付事務について

給与等から所得税、住民税を差し引くにあたってその金額を算定しなければなりません。近年では給与ソフトで自動計算をしている会社がほとんどですが、経理職に就かれる方は手計算でも税額を算出できるようにし、内容を把握しておきましょう。

住民税については、前年分の各人の所得に応じて市区町村から予め会社に毎月徴収・納付すべき住民税額が指示される(各月の納付書も送られてきます)ので、それに従って徴収・納付します。住民税の納付は市区町村の窓口だけでなく、郵便局・銀行などでも行えます。

では、毎月の給与にかかる源泉所得税の算定について解説していきましょう。
毎月の給与からの源泉徴収事務は「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」によりつぎの手順で行います。

参考:平成31年(2019年)分源泉徴収税額表(国税庁HPより)
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2018/01.htm
※現行では平成25年1月1日より平成49年12月31日まで源泉所得税の徴収の際には「復興特別所得税」を併せて徴収することとされています。平成31年(2019年)分の給与等の源泉徴収税額表は上記国税庁のHPにアップされています。

【手順】

①「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」を求める
その月の社会保険料等控除後の給与等の金額
=各個人の給与総額(基本給+諸手当※)−社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険)
※残業手当や家族手当等(現行では月15万円以下の交通費は非課税)

→例えば、従業員Aさんの給与総額18.5万円・社会保険料1.5万円・扶養1人の場合は、その月の社会保険料等控除後の給与等の金額は17万円となります。

②「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」欄で該当する行を探す
①の金額に応じて源泉徴収税額表の「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」欄で該当する行を探します。

③該当する税額を確認する
②の行で該当する扶養親族等の数のところに記載されている金額が税額です。今回の従業員Aさんのケースは2,070円となります。 「扶養控除等申告書(後述)の提出のない者については、上記②の行と乙欄の交わるところに記載されている金額が税額です。今回のケースは11,700円となります。

資料1)源泉徴収税額表

資料1)源泉徴収税額表

上記のように計算したその他の社員は以下のとおりとします。

従業員Bさん給与総額18.3万円・社会保険料1.5万円・扶養0人→源泉税3,620円
従業員Cさん給与総額19万円・社会保険料1.8万円・扶養2人→源泉税530円
従業員は全部で3人とします。

よって会社の支払給与総額は55.8万円、源泉徴収した所得税総額は6,220円となります。

④納付書に記載します
①〜③で得た数値を納付書に記載します。

資料2)例に基づいた納付書

資料2)例に基づいた納付書

⑤徴収月の翌月10日までに、会社の住所地を管轄する税務署に納付
源泉徴収事務の前準備としてやっておくこと
毎月の給与から源泉徴収をするときに源泉控除対象配偶者の有無や扶養親族の人数のような個人的な事情を考慮するために提出してもらう申告書を「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」といいます。

資料3)給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

資料3)給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

源泉控除対象配偶者とは、本人(年収1,120万円以下)と生計を一にする配偶者のうち、所得がないか合計所得が85万円、給与収入から最低でも65万円の給与所得控除が控除されるため、給与収入のみの場合は150万円以下の者をいいます。(なお、この源泉控除対象配偶者については、平成30年から改正された配偶者控除によるものです。)
また扶養親族とは、本人と生計を一にする配偶者以外の親族のうち、所得がないか合計所得が38万円、給与収入から最低でも65万円の給与所得控除が控除されるため、給与収入のみの場合は103万円以下の者をいいます。

この申告書は源泉控除対象配偶者や扶養親族のいない人でも部分に記載して提出する必要があり、2ヶ所以上から給与の支払を受けている場合は、いずれか1ヶ所にしか提出できません。給与の支払を受ける人がこの申告書を提出したときは源泉徴収税額表の甲欄により、提出していないときには乙欄により源泉徴収を行います。

注意すべき事項としては、まず、この申告書はその年の最初の給与等の支払を受ける日の前日までに提出してもらうことです。次にこの申告書の提出がない場合には、通常より徴収される税額が高くなってしまうことと会社で年末調整が行えないので、各自で確定申告をしなければならなくなるといったデメリットがあることです。このため他に給与収入がない従業員からは必ず提出してもらってください。

毎月必ず行う業務ですのでしっかりおさえましょう

所得税、住民税の源泉徴収及び納付事務は給与の支払事務とともに経理では毎月必ず行う業務です。また源泉税の計算間違いがあると従業員の働くモチベーションに影響を与えることもあります。そのためこれらの徴収・納付の流れをおさえ、併せて源泉所得税の算出方法も理解するようにしてください。

【参考】

  • 平成30年分「年末調整のしかた」国税庁
  • 平成30年版「源泉徴収のあらまし」国税庁
  • ガイドブック都税2018(平成30年版)

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