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健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届の提出

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社会保険の算定基礎届の提出について

今回は、月々の給与に対する健康保険・厚生年金保険の金額を決定する算定基礎届について解説していきます。年に一回の提出ですが誤って決定されると、一年間誤った金額で社会保険料を納めることになりかねないので、注意が必要です。保険料額の決定の仕組みと算定基礎届の書き方を説明していきます。

定時決定事務について

毎月の給与から徴収される健康保険料や厚生年金保険料は、被保険者の資格取得時(原則入社時)の標準報酬月額が決定されたときに決まります。
しかしその後、昇給などによって、従前の標準報酬月額と乖離が生じるのが普通です。そこで毎年一回、標準報酬月額を決めなおすこととなっています。これを定時決定といいます。

そしてこの決定のために提出する届出書を「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届」(以下「算定基礎届」)といいます。
この算定基礎届の提出期間は毎年7月1日から7月10日となっており、その提出先は管轄の年金事務所等です。提出時には記載の確認のため、賃金台帳等の必要書類を持参します。

そして、この算定基礎届の対象となるのはその年の7月1日現在の全被保険者です。例外として6月1日以降に被保険者となった人は、資格取得時に翌年8月までの標準報酬月額が決定されているので除かれます。

定時決定により決定した標準報酬月額は、その年の9月1日から翌年の8月31日まで適用されます。このため通常は10月の支給給与分(9月分の社会保険料の控除月分)から徴収される保険料の金額の変更がなされます。

算定基礎届の作成のしかた

①4月、5月、6月の報酬総額を3で割って円未満を切り捨て報酬月額を求めます。このとき、支払基礎日数が17日未満の月は除きます。この場合は3ではなく当該月を減らした月数で割ることになります。
この支払基礎日数とはその報酬の支払対象になった日数をいいます。時給制・日給制の場合は、実際の出勤日数が支払基礎日数になります。一方、月給制・週給制の場合は、給与計算の基礎が暦日なので出勤日数ではなく暦日数によります。

②①の報酬月額を「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」にあてはめて標準報酬月額を決定します。なお報酬には通勤交通費を含みます。ここが源泉所得税の算出と大きく異なります。つまり社会保険料の算定にあたっては(給与+通勤交通費)に対して保険料が課されています。

※ちなみに源泉所得税は一定額までの通勤交通費は非課税です。

算定基礎届を実際に見てみましょう

それでは実際に算定基礎届を見てみましょう( 資料1参照 )。

例 従業員1名(氏名:○○○○) 現物支給等なし 月給制  通勤手当は振込払い
(3月までは給与250,000円、通勤手当23,590円、従前の標準報酬月額280,000円)

給料 通勤手当 合計
4月 280,000円 23,590円 303,590円
5月 280,000円 23,590円 303,590円
6月 280,000円 23,590円 303,590円

①まず氏名を記載した後、4~6月までの各月の支払基礎日数を記入します。この従業員は月給制ですので暦日を記入します。

②次に4~6月に通貨で支払われた報酬をそれぞれの月に記入します。金銭で支払われた通勤手当もこの報酬額に含めて記入します(303,590円)。実務上は通勤手当の加算忘れがよくありますので注意してください。また、もし食事や住宅などの現物支給がある場合には、本欄右△印の欄に該当する金額を記入します。

③3ヵ月の合計を出し、月平均額を算出します。本例では303,590円となります。

④通常は既に記載されていますが、従前の標準報酬月額を記載します。標準報酬月額は日本年金機構が決定します。

⑤会社の住所等及び年金事務所への提出日を記載します。

資料1)算定基礎届

資料1

※なお「被保険者報酬月額算定基礎届総括表」は令和3年度より廃止となりました。

定時決定の業務をおさえておきましょう

社会保険料の定時決定事務は年に一回の業務ですが、難しくはありませんので一度経験されれば理解できると思います。ただ、提出期間が短いのと、従業員が多い会社ですと手間がかかるので毎年、効率よく手続きができるように賃金台帳等の資料をきちんと整理しておく等の準備はしておきましょう。
経理の行う社会保険の手続きについては参考図書が数多く出版されているので、それを参考にするのもよいでしょう。