COLUMN

茅場町・人形町エリア

日本のウォール街と江戸芸能のメッカ

茅場町・人形町エリアは、広域的には「日本橋」と呼ばれる一帯に含まれますが、日本橋の中心部よりやや東寄り、東京湾に近いあたりにあります。
茅場町は東京証券取引所がある兜町に隣接しており、この一角は「日本のウォール街」とも「世界三大金融街のひとつ」とも呼ばれることもあります。

日本橋川を渡ると蛎殻町、小網町、小舟町。この界隈はやはり海に関係する地名が多いようです。人形町はそのひとつ向こう。人形町駅には日比谷線、浅草線が乗り入れていて交通アクセスは良好です。東西線・浅草線・銀座線が乗り入れる日本橋駅とも地下通路でつながっています。
ちなみに日本橋駅の地下通路は八重洲一丁目まで伸びているので、ちょっと歩く覚悟さえあれば東京駅からほとんど傘いらずで茅場町駅まで移動できるのです。

「人形町」という名前の由来は、その昔このあたりに「結城座」という人形芝居小屋があったからだそうです。その他にも中村屋や市村座といった歌舞伎小屋、人形浄瑠璃をかける小屋などもあり、江戸の芸能のメッカだったとのこと。
その名残は今でも街の佇まいに十分に感じられて、時代を感じさせる建物や江戸時代から続く老舗が数多く残されています。

「日本」を感じる街

このエリアを語る時、やはり欠かせないのが兜町の東京証券取引所でしょう。
日本最大の金融商品取引所であり、世界的にもニューヨーク証券取引所・ロンドン証券取引所と並んで「世界三大市場」と称されました。
近年は中国(香港)にやや押され気味のようですが、それでも世界経済の中枢であることに違いはありません。東京証券取引所の周辺を取り囲むのは大小さまざまな証券会社や金融機関。おそらくは日本経済を担っているのであろうビジネスマンたちが忙しげに行き来しています。

一方、この界隈は非常に「和の心」や「江戸文化」を色濃く残しているエリアでもあります。お香、風呂敷など和装小物や雑貨を扱う老舗も多く、街並み自体が古き良き日本のテイストを保っています。また「日本橋再生計画」で誕生した日本橋三井タワーやCOREDO日本橋、COREDO室町では最先端の建築物の中に和のテイストを最大限に取り入れています。

いま日本経済は少しずつ活気を取り戻し、「失われた20年」から再生しようとしています。
こういう時代だからこそもう一度日本の原点を見つめ、日本や日本文化の良さを再認識して私たち日本人の新しい力としたい。そんな真剣な思いがこの街から伝わってくるようです。

伝統の美食や下町グルメを堪能

茅場町一帯は「ジャパニーズ・ファストフード」の名店が多いことで知られています。
金融/証券関係で忙しく働く人たちはのんびりと食事をしている時間がありません。しかし、それでもなんとか美味しいものが食べたい。そこで発達したのが鮨・天ぷら・ウナギ・そばなど、手早く食べられる高級食です。
金融/証券関係の人は景気の良さを大切にしますから、材料費を惜しまず厳選した素材をふんだんに使う高級飲食店がこの界隈に集中しています。もちろん和食だけでなくフレンチ、イタリアン、中華などあらゆるジャンルの高級店も少なくありません。

一方、人形町界隈は下町グルメが百花繚乱。
先に書いた通りこの街はもともと芝居や興行で栄えましたから、私たち庶民が「たまにはパッと贅沢しましょう!」という気分の時にうれしいお店が並んでいます。
お給料日、なにか良いことがあった日、「自分にご褒美」の日...そういう時はぜひ人形町のメインストリート・甘酒横丁に立ち寄ってください。和食だけでなくレストラン、ビストロ、バー、トラットリア、バル、カフェなどなど。気取らない気さくな下町の名店の数々があなたを出迎えてくれます。

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