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日商簿記検定2級 取得/スキルアップ

日商簿記検定2級の取得について

日商簿記検定は経理・会計・財務分野で働く人にとってほぼ必須といっていい資格ですが、その中でも2級と3級の間にはかなりの開きがあります。
3級は経理や簿記の未経験者が独学でも数ヶ月の学習期間で合格を狙え、商業高校の生徒ならほとんどが在学中に資格を取得していますが、2級となると未経験者の独学ではかなり困難です。

また経理分野の求人広告を見ても、3級取得を条件としている場合は「ある程度簿記の基礎がわかっている事務職経験者であれば経理実務はなくても可」という案件が多いのに対し、2級取得が条件の場合「経理の実務経験がある人か、簿記会計の専門知識を持つ人でないと困る」というようなケースが多く、当然報酬などの条件や求められる職務内容にも開きがあります。

また、経理職の就職・転職に際しては、3級は「持っていても当然」という扱いですが、2級以上なら「武器」となり、有利に評価されるようになるでしょう。日商簿記資格をキャリアアップに役立てたいのなら、2級以上をぜひ狙ってください。

日商簿記検定2級とは

2級合格体験者の話を聞いても「3級は余裕で合格できたが2級は独学ではかなりキツかった」という意見が多いようです。 もちろん独学では無理というわけではなくそれなりに合格者もいるのですが、そういう人は「あらかじめ3級に合格し、数ヶ月の勉強期間を設けて計画的に本腰を入れて勉強した」という人がほとんどです。「資格は取得していなかったが、数年間経理実務を行っていた」という人でも受験対策となると話は別で、やはりそう簡単に合格できるものではありません。

日商簿記2級検定では3級程度の商業簿記に対する知識があるのはもちろん、基礎的な原価計算を含む工業簿記に関するスキルも求められます。3級が「基礎編」であるのに対し2級以上は「プロフェッショナル向け」という性格になっているので、内容が高度になるだけでなく実践性も必要です。

2級受験の出題範囲について

まず商業簿記については、特殊商品売買や固定資産の売却といった3級では登場しない高度な問題が出題されます。 伝票記入、特殊仕訳帳、仕訳日計表、決算整理、減価償却、経過勘定項目といった重点事項はまず間違いなく出題されますが、 その他は特に出題傾向というものはなく、2級商業簿記全体のどこに重点をおいた出題がなされるかは回によって異なるため、 出題範囲すべてをまんべんなく勉強しておく必要があります。

次に工業簿記ですが、これは2級からはじめて登場するということもあり、基本をしっかりおさえておけばそれほど苦しむような難問はあまり出題されません。総合原価計算/標準原価計算、CVP分析あたりはほぼ間違いなく出題されます。

どんな勉強が必要?

日商簿記2級検定試験は、3級を取得していることが前提となって構成されています。3級を取得していなくても受験することはできますが、独学で勉強する方はまず先に3級を取得しておきましょう。

経理学校などでは3級と2級の同時受験で「確実に3級合格。あわよくば2級も合格」といったようなカリキュラムを組んでいるところもありますが、これは受験対策や試験のコツなども併せて学べるからであって、簿記の初心者が独学でいきなり2級を目指すというのはかなり困難です。

ただし、実務である程度経理の経験をしている方で「いまさら3級を取ってもしょうがない。落ちたら何度でも受験し直す余裕がある」という方であれば、腕だめしのつもりで2級に挑むのもよいでしょう。

初心者からだとおよそ200~250時間の学習が必要と思われます。その中には3級レベルの勉強時間がおよそ半分を占めることになるでしょう。独学の場合、過去の問題集や公式テキストを中心に、さらにわかりやすく解説されているテキストを補助的に使いながら勉強を進めてゆくというのが一般的な勉強法です。

全体の70%正解で合格ですが、「途中で一ヶ所ミスをすると連鎖的に他の問題にもそれが影響し、大幅に減点される原因となる」という性質の試験であり、また出題範囲も広いことから、ヤマをかけず、全体をまんべんなく地道に勉強するのが合格への近道です。おそらく主催者側もそういう学習法を期待していると思われます。

日商簿記2級の受験概要

日商簿記検定は毎年2・11・6月の3回行われます。2級の受験料は4,630円(税込)(平成29年度現在)となっており、合格率はおよそ30%前後です。 試験時間は商業簿記・工業簿記あわせて2時間です。

(資料引用:日本商工会議所・各地商工会議所Webサイト 「日商簿記2級」)