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経理職で女性が働くメリット・デメリット

経理職で女性が働くメリット・デメリット

経理職という仕事の全体像

経理職という仕事がどのようなものか、改めてその全体像を考えてみましょう。

「経理職」とひと口に言ってもその内容はさまざまです。経理職は正確には「経理」「財務」「会計」という3つの仕事に大別されます。どれも企業・団体のお金の流れを追う仕事ですが、会計という仕事は「お金の流れを記録する」という役割を持っています。

これに対し経理は「現場の動きをお金の流れに置き換える」という役割を持っています。たとえば入出金伝票の起票など、発生した事実からお金の出入りを読み取り、数値に置き換えます。つまり経理が数値化したお金の出入りをもとに、会計がその流れを記録するという役割分担があります。

しかし大きく言えば、経理は会計の一部であり、

会計―財務会計―経理
　　└管理会計

という関係になっています。
ただしこれは理論上の話で、会計の方が経理より上級で偉いという意味ではありません。会計の方が、経理よりも幅広い意味を含んでいるというだけの話であり、多くの企業では経理部が会計を担当したり決算業務を行ったりという実務を行っています。

これに対し、「財務」と「管理会計」とはやや毛色が違います。
財務は、会計によって得られた数値データをもとに会社をどう経営していこうかという計画を遂行する部署です。「お金が足りないからどこからいくら借りよう」「株式を発行して資金を調達しよう」「資金に余裕があるから投資して運用しよう」といったことを考えるのが財務の仕事です。

管理会計とは、会計によって得られたさまざまな情報の中から財務や経営に必要な情報をピックアップしたり集計したりという経営的な会計情報を扱う部署です。原価計算や予算管理などが仕事の中心となります。

どの部門でどんな仕事をするか？

こうしてみると「経理職」とは営業や生産といった部署以外の、企業のほぼ全体に及んでいることがよくわかります。
もちろん経理職として働く人ひとりひとりは「日々数字を扱い、正確に素早く処理する」という作業に取り組んでいることに違いはありません。
しかしどの部署でどんな仕事をするかによって得られるキャリアややりがいには大きな違いがあります。

毎日同じようなルーティンワークを淡々とこなす仕事もあれば、雑用のような煩瑣な事務ばかり手がける仕事もあります。かと思えば経営に直結するような重要な数字を扱ったり、「その数字が何を意味するか」を読み取らなくてはならないセンスを要求されたり、経理職の仕事は実に多彩です。
「経理職だからどれも同じようなものだろうと思って就職したら、自分が考えていたのとは全然違う仕事内容でびっくりした」という声が多いのも経理職という職種ならではなのです。

メリット・デメリット

経理職という仕事は全般的に静的な仕事が多く、男性と女性の性差があまり仕事に影響しません。むしろ正確性を求められるという点では女性に有利な職種といえるかもしれません。

もちろん「同じ作業の繰り返しに没頭するのが好き」「指示された作業を迅速・性格に処理することにやりがいを感じる」という女性であればそれでもかまわないかもしれません。しかし「バリバリとリーダーシップを発揮したい」「キャリアとスキルを磨いて、よりレベルの高い仕事に取り組みたい」という女性にはそれは耐えられないでしょう。

経理職という職種は「一定のスキルを身につけておけば結婚・出産・子育てなどでしばらく職場を離れても復帰しやすい」という女性にとってのメリットがある反面、「与えられた仕事だけをこなしていてもキャリアの幅が広がらない」といったデメリットがあります。上昇志向の強い人は、自分で資格を取得するなどしてスキルを磨き配属転換をアピールしたり、自分の働きたいスタイルを求めて転職したりといった自主的でアグレッシブなアクションが求められるのです。

大切なのは「自分の志向や適性に合った仕事を選ぶこと」ですし、「将来なりたい自分」というものをなるべく明確にイメージして、それを実現できるキャリアを積んでいくことです。
自分はどんなキャリアマップを描くのか。どんなライフスタイルを選びたいのか。経理職という仕事の全体像を頭に入れた上で、ひとりの人間として、ひとりの女性として、しっかりと自分の進むべき道を選んでください。