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サービス業とは、商品や製品の引き渡しを伴わないで、目に見えない無形のサービスを提供する業種や業態のことです。
業種はさまざまですが、共通する経理の特徴について解説していきましょう。
サービス業は、在庫を持たずモノを作らないことが特徴です。
いわゆる第三次産業に分類される業種ですが、人材派遣業、理・美容業、宿泊業、医療・介護サービス業など多種多様な事業が想定されます。
日々の業務としては、まず伝票・帳簿作成業務があります。
伝票・帳簿作成業務では、資産、負債、資本、収益、費用の増加や減少をもたらす取引を仕訳し、会計ソフトに入力することで処理をしていきます。
そして会社で決まっている月の締めのタイミングで、月次決算作業を行います。
この作業によってひと月にどれだけの収入や支出があって、どれだけの利益を上げられたかを確認することができますが、同時に日々の起票・記帳に誤りがあればこのタイミングで訂正していきます。
決算期に一気に見直しとなると範囲が広くなるため、漏れや不明点の確認に時間を要することにもなりますので、確認作業や訂正作業は月ごとにしっかり行っておくことが大切です。
そして、決算期には、期末決算業務として決算整理仕訳、決算整理後残高試算表、財務諸表(貸借対照表や損益計算書など)の作成を行います。
これらの事務作業は、他業種の経理事務とさほど変わりないといえるでしょう。
ただし、サービス業は形のあるモノを引き渡す行為がないので、いつ売上を計上するかが難しい業種でもありますが、会計での「商品を引き渡したとき」=「サービスを提供し終わったとき」に売上を計上するという考え方に基づくとわかりやすいでしょう。
例えば、美容院では髪の毛を切り終わったとき、マッサージ店では施術が終わったときに料金を受け取ります。
サービスを提供してその対価として料金を受け取るといった一般的な流れです。
ここで気になるのが塾などの月謝。前払いのケースがほとんどですが、なぜでしょうか。
これは、塾に申し込みがあった時点でサービスを受ける意思表示を受けたということに基づいています。
その時点で授業を行うための人件費や光熱費は確保することになるので、それに対して料金を受け取るということです。
旅行などもそうです。まだ旅行に行っていないのにツアーに申し込んだ時点で料金は発生します。
これも、すでにそのサービスを提供したという認識になると考えれば理解できるでしょう。
サービス業の経理は一般の経理と同じとはいっても、注意したい点があります。
サービス業は商品を取り扱わないので在庫は持たず、また製造もしないので製品原価の計算も行いません。
そのため一見、原価計算の知識はいらないかのように思えますが、実際はそうとも言い切れないのです。
たしかに儲けを計算するだけなら、売上-経費=利益(儲け)ですが、これではどのような要因で儲けが出ているのかを把握することはできません。つまり経営の分析ができないのです。
そのため、経費をもう少し細かく把握するために、工業簿記的な思考をプラスしてみると良いでしょう。
学習塾を例にして見てみます。
売上は生徒の月謝を把握すればいいのですが、経費は塾講師の給料、教室の賃借料、教材の購入費などの売上に直接的な経費と、事務職員の給料、広告料、交際費といった間接的な経費の2つに分けられます。
このとき原価計算の直接費、間接費の考え方が出てきますし、粗利益を計算するときにも原価を計算する必要が出てくるのです。
実際、売上を上げるのに直接的な費用がいくらかかって、粗利益がいくらで、ここから間接的な費用を控除して総利益はいくらで、と毎期経営分析をしてコスト削減を効率的に行っている経営者も多くいらっしゃいます。
このようにサービス業は原則として在庫を持ちませんが、経理に原価計算(工業簿記)の考え方を応用してみると、経営分析の一助となります。
サービス業の業種は、前述のとおり多種多様で経理、会計処理についてもその業種の処理に各人が対応する必要があります。基本となる日商簿記検定3~2級程度の知識を身につけて、各会社、業種の経理処理を個々に覚えていくという心構えでいるとよいでしょう。
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