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Column –経理に役立つコラム-

経理引継ぎのスムースな受け方~小口現金業務~

経理引継ぎのスムースな受け方~小口現金業務~ 今回は、小口現金業務をテーマにして、お届けします。
どちらかと言えば、新人クラスの方が担う業務の位置づけですが、あらゆる経理仕事に共通するポイントが含まれています。

これまでの仕事を復習し、今後のスタンスを模索する意味でも、読み進めてください。

主な目的は、資産管理&経費精査

初回の記事の中で、引継ぐ際は、仕事の目的や取引先、あるいは顧客との繋がりを押さえる必要があると述べましたが、小口現金は、いくら少額な経費精算のためにあるとは言え、企業が抱える大事な流動資産なので、万全に管理することが目的の一つでもあります。

又、経費の内容が売上げに対応しているのか等を、精査する必要もあることから、取引先と顧客にも繋がっている業務の一つとも言えるでしょう。

では、それらを踏まえ、どのようなスタンスで臨めば、スムースで且つあなたのキャリアに繋がる引き継ぎの受け方が出来るのでしょうか? 

資産管理として適切か?を意識して引継ぎを受ける

小口現金は、精算時に金額の受け渡しミスをしたり、流用したりと、間違いや不正が起こりやすいものです。
あなたは、資産管理を担当するといった意識で、引き継ぎを受けることを念頭に置きましょう。

たとえば、金庫の鍵の保管方法や現金の残高を照合する際に使う資料や、収支内容と残高については、誰から監査を受けるのか等、しっかりと引き継ぐ必要があります。
以下にポイントを示しましたので、参考にしてみてください。

  • 金庫の鍵の保管場所はどこか?中身は、現金以外に何があるのか?
  • 収支内容と残高を照合する際、突合せする資料は何か?
  • 第三者のチェックは、どのような方法で行われるか?万全な体制なのか?

もしも、担当者に一任しているような体制であれば、残高相違や帳簿外現金などが発生した場合は、あなたのみならず、派遣元にも責任が問われることがあるのです。
スムースに仕事を進めるためにも、不備を感じたら、上司や先輩に具体的な改善策を示しましょう。

経費精査を万全に行うため情報を得る

次に経費精算に視点を移しましょう。
前述したように、小口現金は、少額な経費精算がメインとは言え、どの売上げに対応しているか、あるいは、予算内なのか、規定に準じているのか等、多角的に精査する必要があります。
つまり、充分な情報が得られないと、良し悪しなど判断出来ない仕事なのです。

もしも、勘定科目の付し方や伝票処理の方法といった、単なる作業の引継ぎしか受けられないのであれば、出来るだけ、社内規定や部門や事業部ごとの役割が示されている組織図、あるいは予算計画書などの資料を求め、あなたの仕事がやり易い環境を整えるようにしましょう。

小口現金業務は、資産管理として意識しながら、社内の様々な情報に触れ、自身で判断して進めることで、経営活動に近い仕事になり得ます。
又、こうしたスタンスは、他の経理仕事にも共通して大切なことであり、あなたのキャリアにもしっかりと繋がっていくのです。

~ 執筆者 Profile ~

田村 夕美子

ビジネス系作家・経理環境改善コンサルタント

新潟市出身。企業にて管理職を担う傍ら、研修・セミナー講師や会計・人事専門誌、女性誌などへの執筆活動に従事している。中でも、現場視点の利いた、自己活性プログラム"田村式データ変換術"を用いた研修・セミナーには定評があり、会社員から起業家など幅広い層から支持されている。
主著に「できる経理の仕事のコツ」(日本実業出版社)
現在、"速報税理"にて「顧問先のリアル事情」(ぎょうせい)連載中。
URL  http://nfp.cc
Email  tamura@nfp.cc 
ブログ「田村夕美子の素敵に・粋にデータ変換」  http://ameblo.jp/giftwind/

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