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経費精算は、マニュアル等の中で方法論について詳細が記されているケースも少ないので、引継ぎを受ける際は、金銭授受や領収書の保管方法など、しっかりとメモを取りながら覚える必要があります。
また、経費の精算方法は、第一回で述べた"小口現金"の他、法人カードや各人に立て替えてもらい、承認後に給与支給時に支払う方法等、幾とおりもあるかもしれません。
精算方法により、注意するところが異なる場合もあり得るので、シミュレーションしながら疑問点がゼロなるように、引継ぎを受けましょう。
まず、最初のステップですが、実務を引き継ぐ前に、これまでの領収書や精算書等のファイルを見せてもらうことをお勧めします。現物を見ることで、実務のシミュレーションがしやすくなり、領収書の保管・ファイリングの方法についても、だいたいのイメージを掴むことが出来るでしょう。
次に具体的な方法を教わる場面でも、現物を見ながら、引継ぎを受けるようにすると、領収書内のどの部分を重点的にチェックするのか、あるいは、書類との付合せの注意点や、精算する際の印鑑のもらい方や現金の受け渡しはどうするか、といった細部にあたる部分についても、スムースに覚えられます。
また、こうした方法をとることで、派遣先の引継ぐ側の方が、担当していた頃のシチュエーションをより思い出せるので、いわゆる"引継ぎ漏れ"も防ぐ効果が期待出来るでしょう。
経費精算を行う際、領収書内の発行年月日や発行人、取引内容などの記載が漏れていたり、むやみに廃棄したりすると、法人税等の税額控除が出来なくなり、無駄な税金を納める危険性が生じます。
あなたは、領収書の内容や保存方法が税法にそったものなのか、しっかりと精査し、もしも不備が見つかった場合は、厳格な対処が必要です。
時には、毅然とした態度で、「税額控除が受けられなくなる」、「必要のない税金を納める危険性がある」と促し、善処されないようであれば、上司から伝えてもらうなど、状況に応じて当るようにしましょう。
あなたのこうした姿勢は、派遣先の経理の改善やモラル向上にも繋がるはずです。
冒頭にて述べたように、派遣先により、経費の精算方法が現金以外の場合もあるかもしれません。
方法により、注意点も異なる場合があるので、しっかりと押える必要がありますが、単に受身で覚えるのではなく、"この方法が適切なのか?""ムダはないのか?"といった視点であたることも肝要です。
たとえば、"精算日や提出日が決まっていない""方法がマチマチ"であれば、あなたの仕事がやり辛く、スムースに終えられないこともあるでしょう。何かしら支障を感じるのであれば、精算日と提出日を予め決めたり、方法を給与支給時のみにしたりと、具体的な善処策をまとめ、上司に相談することをお勧めします。
あなたの意見は、現場の声を吸上げるきっかけとなり、他の方々の仕事にもより良い影響を及ぼすかもしれません。
田村 夕美子
ビジネス系作家・経理環境改善コンサルタント
新潟市出身。企業にて管理職を担う傍ら、研修・セミナー講師や会計・人事専門誌、女性誌などへの執筆活動に従事している。中でも、現場視点の利いた、自己活性プログラム"田村式データ変換術"を用いた研修・セミナーには定評があり、会社員から起業家など幅広い層から支持されている。
主著に「できる経理の仕事のコツ」(日本実業出版社)
現在、"速報税理"にて「顧問先のリアル事情」(ぎょうせい)連載中。
URL http://nfp.cc
Email tamura@nfp.cc
ブログ「田村夕美子の素敵に・粋にデータ変換」 http://ameblo.jp/giftwind/
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