アカウンタンツライブラリー
経理の仕事に役立つ
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本連載も後半に入ります。これまで、読まれた方々は、派遣先での仕事の意味・目的、そして取引先や顧客等とどのように繋がっているのかを意識しながら、日々、臨まれていると思います。
そろそろベテランの域に達しそうなあなた。この時期は、あなたの成長度がいかがなものだったのか、振り返る時間を設けることをお勧めします。
派遣先の経理業務を通して、あなたが何を身につけて、「今後どのような方向性で仕事を進めるのか」を振り返る方法の一つとして、実際に紙等に書いて整理する方法があります。以下に、私がセミナーや研修で用いる、"3 STEPS"のフォーマットを使い、経費精算書を担当した方が記入した例を示しました。以下のように、
1、担当業務と役目は?
2、その仕事から何を得たか?
3、今後どのように取り組むか?
と段階的な視点で記入してもらい、担当仕事を通して、どのように成長したのか、自身で振り返ってもらうのです。この方の場合、STEP1の段階では、先輩や上司から教わりながら、予算科目や金額を間違えないようにするだけで、精一杯だったかもしれませんが、STEP2からは、"厳格な監査"の大切さと"各部署の役割についての理解"をしたようです。
そして、ラストSTEPでは、費用対効果を意識した監査や、費用推移等を解りやすく伝えるための、資料作成を視野に入れているようです。
あなたがこれまで行っていた仕事の中で得たものについては、次の担い手に引き継ぐ際に有効な手段となり得ます。
たとえば、前述した例では、"2、何を得たか?"のSTEP2で、"厳格な監査方法""各部署の役割についての理解"と記入していますが、この方であれば、経費精算業務を引き継ぐ際、「経費精算書を監査しながら、費用の使い方を見て、その部門がどのような役割を担っているのか、理解しながら、あたるようにしましょう」と添えて、仕事のバトンタッチが出来るのではないでしょうか?
あなたが得たことを次の担い手の方が引き継ぐことで、その仕事がより良いものになり、ひいてはその方が独り立ちした際に、別のものを得て、更に貢献度の高い仕事を意識するように、なるかもしれないのです。
前述した例の方は、ラストSTEPの位置にある"3、今後の取り組み方"にて、"費用対効果を意識した監査や資料作成"と記入しています。
経費の使われ方をチェックするに留まらず、それらに対してどれだけの収入が実現したのか分析して、当事者に対して解りやすくプレゼンすることで、派遣先が自社の利益や顧客満足度を再考して仕事を進めるようになるでしょうし、自己にとっても洞察力や表現力等といったスキルが身につきます。
さあ、あなたも、同様に"3STEPS"のフォーマットを使って整理してみましょう。あなたが、"得たもの""今後の取り組み方"の欄に記入したものは、あなたの宝物です。他の業務を担当したり、別の派遣先に異動したりと、いかなる場面でも活かせるはずです。決して受身や遠慮などせず、自分の意志で次のステージに臨んで下さい!
田村 夕美子
ビジネス系作家・経理環境改善コンサルタント
新潟市出身。企業にて管理職を担う傍ら、研修・セミナー講師や会計・人事専門誌、女性誌などへの執筆活動に従事している。中でも、現場視点の利いた、自己活性プログラム"田村式データ変換術"を用いた研修・セミナーには定評があり、会社員から起業家など幅広い層から支持されている。
主著に「できる経理の仕事のコツ」(日本実業出版社)
現在、"速報税理"にて「顧問先のリアル事情」(ぎょうせい)連載中。
URL http://nfp.cc
Email tamura@nfp.cc
ブログ「田村夕美子の素敵に・粋にデータ変換」 http://ameblo.jp/giftwind/
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