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Column –経理に役立つコラム-

経理引継ぎのスムースな受け方~事業計画~

経理引継ぎのスムースな受け方~事業計画~年に一度の事業計画策定。どちらかと言えば、経理部内のマネジャークラスの方が担う業務の一つであり、派遣社員の方であれば、予算数値の入力や検算等のヘルプにあたる場面があるかもしれません。
ただ、事業計画書は、経営活動の予定を数値化したものです。たとえ、ヘルプの立場であったとしても、派遣先の今後について見つめる機会でもあるので、広い視野で高い意識を持ちながら当たることをお勧めします。

出来るだけ「本質」を見る

事業計画策定の主な仕事は、その年度の経営指針により、どのような新規事業を行い、既存の商品・サービスをどれだけ販売するのか、そしてどれだけの人件費や原価・費用がかかるのか等々、細かな数値の積み上げをして、実現出来るか否かを検証・見直しすることです。

よって、多くの時間を費やすので、派遣先の先輩や上司は、仕事を引き継ぐ際、あなたに対し、事業計画の詳細について説明する余裕がなく、単にフォーマットや入力時の注意点のみを説明することもあるでしょう。ただ、そういった仕事のみでは、"入力係"を引き継ぐことになるので、経理本来の仕事からかけ離れています。

たとえ、そのような場合でも、あなたは、収入・原価・費用の構成を把握したり、出来れば、それらの数値に至るまでの根拠を質問したり、事業計画の仕事の「本質」にあたることを見つめながら取り組むようにしましょう。

数値感覚を身につける

派遣先の上司や先輩があなたに求めることの一つに、適切なチェックがあるかもしれません。入力後に集計された数値が計画と一致しているのかを検算する仕事等、どこまでのチェックが要求されるのか、様々でしょうが、あなたは業務を引き継ぐ際、これまでのチェック方法を聴き取る他に、その派遣先の事業における原価率や利益率を把握し、計画の数値に異常がないか否かを見て適宜報告すると、よりチェック機能が強化されるかもしれません。

"チェック"は、経理業務の中でも定型的な位置かもしれませんが、日頃から数値感覚を磨くことで、単なる合計額の検算係に留まらず、適切か否かが判断出来ます。どんな派遣先でも使えるスキルなので、身につけるようにしましょう。

事業計画を通してあなたの今後の仕事計画を!

「事業計画を実行する人は誰か?」この問いの答えは、「全社員」に他なりません。よって、あなたもその一人です。たとえヘルプでも、派遣先の今後の経営活動を垣間見ることの出来る位置に、あなたは立っているのです。年間の計画を通して、あなたの業務計画をどのように落とし込むか、模索しましょう。

たとえば、新規事業を行う予定があれば、その業界について調べて、おおよその動向を掴み、費用発生等が適切なのか、確認できるようにする、あるいは、一定の商品・サービスの販売を強化する予定があれば、実績が計画の値に見合っているのか否かをチェックするため、事前に販売予定の数量等を把握しておく等、諸々あるはずです。

派遣先の事業計画を通して、先んじた仕事を心掛ける。こうした意識があなたのキャリア形成に繋がることは、言うまでもないでしょう。

~ 執筆者 Profile ~

田村 夕美子

ビジネス系作家・経理環境改善コンサルタント

新潟市出身。企業にて管理職を担う傍ら、研修・セミナー講師や会計・人事専門誌、女性誌などへの執筆活動に従事している。中でも、現場視点の利いた、自己活性プログラム"田村式データ変換術"を用いた研修・セミナーには定評があり、会社員から起業家など幅広い層から支持されている。
主著に「できる経理の仕事のコツ」(日本実業出版社)
現在、"速報税理"にて「顧問先のリアル事情」(ぎょうせい)連載中。
URL  http://nfp.cc
Email  tamura@nfp.cc 
ブログ「田村夕美子の素敵に・粋にデータ変換」  http://ameblo.jp/giftwind/

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