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専業主婦から転身、フルタイムで仕事を始めた場合、様々な手続きが必要になる場合があります。
今回は身近な健康保険や年金、介護に関わる社会保険についてみていきましょう。
派遣でフルタイムの仕事を始めた場合、「健康保険証はどうなるのかしら」など、不安を感じることはあると思います。今回は生活に直結する身近な問題として、派遣就労における社会保険の手続きについて確認していきましょう。
フルタイム労働者にとっての社会保険とは、健康保険・厚生年金保険・介護保険の3つで構成されています(この他、雇用保険と労災保険がありますが、これらは労働保険と称されるケースがあります)。
健康保険は医療機関で保険診療が受けられるほか、入院・傷病・出産などに関わる療養費や手当金の支給に関わります(75歳の誕生日の前日まで加入)。
厚生年金保険は老齢年金・障害年金・遺族年金などで構成されている公的年金制度です(70歳の誕生日の前日まで加入)。
介護保険は高齢者の保険医療・福祉サービスの確保に関わる保険制度です(満40歳の誕生日の前日から、65歳の誕生日の前日まで加入)。
各保険料は資格取得時の契約書記載の時給や労働日数を基に計算され、派遣会社と派遣社員とで折半して支払うことになっています。また、保険料は毎年4~6月の報酬の平均額により再計算され改定されるほか、固定賃金に大幅な変動があった場合、随時改定されるケースもあります。
では、近藤さん(仮名)の例を見ながら派遣労働における具体的な加入資格を見てみましょう。
近藤さんは45歳。夫と中学生の子どもと3人暮らしの専業主婦です。
子どもの高校受験を目前にし、教育費がかかるようになってきたため、仕事に復帰することにしました。
探したのは経験のある経理事務の仕事。家事があり残業ができないので正社員ではなく派遣社員でフルタイムの仕事を探していたところ、午前9時~午後5時(休憩60分)、実動7時間という条件の小売店での経理事務に就労がかないました。最初の契約は3ヶ月。その後も長期の契約が見込まれている安定性が魅力でした。
仕事開始にあたり近藤さんは派遣会社の担当者に「健康保険など社会保険はどうなっていますか?」と確認したところ、「労働時間も長く、2ヶ月以上の雇用期間が見込まれているので契約の最初から加入できます」との回答が。早速近藤さんは派遣会社を通して、社会保険の手続きをすると同時に夫の会社で資格喪失の手続きを取りました。
派遣社員も一定の労働条件を満たせば、社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険)に加入できます。
派遣社員の加入条件のポイントは「労働時間」と「契約期間」の2つです。
1つ目の「労働時間」については1週間の労働時間が通常の正社員(派遣の場合は派遣会社の社員を指す)のおおむね4分の3以上であること、2つ目の「契約期間」については契約期間が2ヶ月を超える、または2ヶ月を超える見込みがあることです。
この2つの条件を満たせば派遣就業開始日より社会保険に加入することができます。
具体的に見てみましょう。近藤さんの場合は1週間の労働時間は7時間×5日=35時間。
派遣会社の週労働時間を8時間×5日=40時間と仮定した場合、4分の3の30時間を超えていますので1つ目の条件をクリアしています。
さらに、当初契約は3ヶ月で長期が見込まれる仕事でしたので、2つ目の条件もクリア。
近藤さんは45歳ですので、介護保険の被保険者にも該当し、契約開始日より社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険)に加入することができるのです。
また、最初の契約が2ヶ月未満であっても、その後の更新で第1回目の契約初日から通算し2ヶ月を超える契約となった場合、その2ヶ月を超える日が含まれる契約の開始日より社会保険の加入ができます。
年金手帳など必要書類を提出すれば全ての手続きは派遣会社が行ってくれるので安心です。
但し、派遣労働は長期・短期・単発など様々な就労形態があり、その組み合わせで就業している複雑なケースもありますので、加入にあたっては必ず派遣会社に確認することが必要です。
社会保険は万が一のときに役立つ公的保険制度です。
加入資格に該当すれば、全員が加入することを義務づけられていますので、速やかに派遣会社に手続きをしてもらいましょう。
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