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派遣社員にも時間外労働に対して、労働基準法に則り残業代が支払われます。
残業代がどのように計算されているのかご存じでしょうか?
正社員と同様、派遣社員にも労働基準法が適用されます。
労働基準法では賃金の支払いについて、次のように5つの原則を定めています。
①通貨で支払うこと
②労働者に直接支払うこと
③全額を支払うこと
④毎月最低1回支払うこと
⑤一定の日に支払うこと
この原則を基に、派遣会社は派遣社員に給与を支払うわけです。
時間外労働については更に細則が設けられており、平日の残業、深夜残業、休日出勤の計算の仕方など契約時間外労働をした時間帯や法定休日などによって割増率が定められています。
では、一体どのような計算がなされているのか、繁忙日に残業が発生する職場で働く飯田さん(仮名)の収入を例にみていきましょう。
飯田さんは学生時代に簿記2級を取得。資格を活かし5年間機械部品メーカーで経理事務を担当していました。
決算書類などに目を通す機会も多く、仕事の面白さから税理士を目指すことを決意。
残業が多いそれまでの職場では勉強との両立が難しいと考え、思い切って退職し派遣就労を始めました。
契約内容は月曜~金曜まで週5日、午前9時から午後5時(休憩60分)までの実働7時間、時給1,750円というもの。普段は定時帰宅ができるのですが、決算期など繁忙期には残業がある仕事のため、契約書には「繁忙日のみ1日3時間程度の残業があり、法定時間外労働は8時間超から計算」と記されています。
飯田さんは資格の専門学校に通いながら、仕事を通して実務経験も積めると張り切って仕事をしています。
9月に決算業務のほか、予定外の仕事が入り残業の指示が出ました。
契約書にあるように、出勤日20日のうち計5日間、1日当たり3時間の時間外労働が発生したことによって、飯田さんの給与明細書はどうなったでしょうか。
まず、月20日のうち残業の発生しなかった15日間の賃金計算は1,750円×7時間×15日=183,750円となります。次に、残業が発生した5日間について、法定労働時間内労働は1,750円×8時間×5日=70,000円と計算できます。最後に、残業のあった5日間の法定時間外労働は1,750円×1.25×2時間×5日=21,875円。
よって、9月の給与総額は275,625円となりました。
労働基準法の第32条では労働時間について「1日8時間を超えて労働させてはならない、1週間に40時間を超えて労働させてはならない」と定めています。
つまり、1日8時間、1週間40時間までは法定時間内労働となり、就業規則などで特別な明記がない限り労働基準法に基づく割増率はなく、割増賃金の支払い義務は発生しません。
では、法定時間外労働についてはどう定められているのでしょうか。
法定時間外労働、及び深夜(原則として午後10時から翌日午前5時)までの労働に関しては1時間当たりの賃金の2割5分以上の割増率の定めがあります。
また、週1日の法定休日に出勤した場合には1時間当たりの賃金の3割5分以上、また、1カ月に60時間を超える時間外労働には1時間当たりの賃金の5割以上(但し中小企業はこの規定のみ適用猶予)の割増率とすることが定められています。計算式でみていきましょう。
派遣会社は上記の計算式を基に派遣社員の給与計算を行っています。
契約内容によって、残業代の計算式も複雑になってきますので、まずは、自分の契約書の記載がどうなっているのかを確認してみること。そして、分からない点があれば派遣会社に質問してみましょう。
派遣社員も正社員と同様、労働基準法が適用され、安心して働ける法的環境が整備されています。
残業代に関しても割増率が細かく規定されていることを知れば、より安心して仕事に取り組むことができます。
残業を上手に活用し、キャリアと収入を同時に手に入れるのもいいかもしれません。
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