雇用に変化が生じたとき、頼りになるのが雇用保険。派遣社員も雇用保険に入れるの？

派遣社員も雇用保険の適用はあります

失業など万が一のときに頼りになるのが雇用保険。
もちろん派遣社員にも適用がありますので、加入条件を中心とした概要を見ていきましょう。

派遣社員の雇用保険加入要件は？

「派遣期間が満了したけれど、まだ次の仕事が決まっていない」。契約期間が区切られた有期雇用契約である派遣社員の場合、途切れなく契約が続くケースばかりとは限りません。

万が一、失業・求職状態になったとき、生活及び雇用の安定と就職促進のために労働者の強い味方になるのが雇用保険。「労働者の能力開発」のための給付金制度を設けるなど、就業中の労働者のスキルアップサポートもしてくれる政府管掌の保険制度です。

そして、派遣社員も一定の条件を満たせば被保険者になることができます。
今回は、雇用保険の被保険者の資格取得に当てはまる就業についた根本さん（仮名）の例を見て、雇用保険加入に関する制度の概要を見ていきましょう。

社会保険よりも加入要件の敷居が低い雇用保険

専業主婦だった根本さんは派遣社員として働き出して半年。
夫の扶養の範囲内で、週3～4日程度の経理事務に関わる1ヶ月未満で終わる短期の仕事をしていましたが、今回紹介されたのは1日5時間、週5日の勤務で今までより長めの3ヶ月の契約が見込まれる経理事務補助の仕事。

自宅に比較的近い職場であるため通勤時間の短さが決め手となり、その仕事を始めることにしました。
すると、派遣会社から雇用保険の被保険者資格の手続きをする旨の説明を受けます。
担当に話を聞くと、「1週間の労働時間が20時間以上であること、かつ31日以上引き続き雇用される見込みがあること」が加入条件となり、就業開始日から加入しなければならないとのこと。
根本さんは早速派遣会社を通して手続きを行いました。

加入期間など一定の条件を満たせば失業給付の他、教育訓練給付など様々な制度も利用できる公的保険制度を再認識した根本さんは「雇用保険に加入して安心して仕事を続けていかれます」と、話してくれました。

雇用保険の加入ポイントは「労働時間」と「契約期間」

派遣社員の雇用保険の加入条件のポイントは契約書における「労働時間」と「契約期間」です。
「1週間の労働時間が20時間以上であること」「31日以上引き続き雇用される見込みがあること」の両方を満たすことが加入条件となっており、契約が更新され通算31日以上雇用されることになった場合は、更新された契約の開始日から加入できます。

根本さんのケースでは、1週間の労働時間が5時間×5日＝25時間ですので加入条件の20時間を超えていますし、3ヶ月の契約ですので31日以上雇用される見込みがあるため被保険者資格を取得できるのです。
雇用保険は健康保険などの社会保険と比べて加入要件の敷居が低く、社会保険には未加入でも雇用保険のみ加入手続きをしている場合も少なくありません。

雇用保険に加入しておけば、

1.ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
2.離職の日以前2年間に、被保険者期間（※）が通算して12ヶ月以上あること。ただし、倒産・解雇や契約満了等により離職した方については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上ある場合でも可。（※被保険者期間とは、雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1ヶ月ごとに区切った期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1ヶ月と計算）

など一定条件が整えば、万が一失業した際にも失業等給付の基本手当他の給付対象となります。

また、雇用保険では、再就職手当などの就職促進給付、スキルアップを応援してくれる教育訓練給付、育児や介護に関わる休業給付など公的サポートが整備されています。
派遣就業は様々な就業形態がありますので、加入資格を派遣会社に聞いてみましょう。
また、実際に失業給付の手続きの際には、詳細な条件をハローワークへ確認することが必要です。

加入手続きは速やかに

雇用保険加入要件を満たした際には、速やかに派遣会社に手続きを行ってもらい、安心して仕事をしてみませんか。

派遣社員の求人はこちら ≫